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リンパ浮腫

複合的治療

 リンパ浮腫の保存的治療・内科的治療は国際的には複合的理学療法と呼ばれ、世界のリンパ浮腫治療の基本となっています。日本では複合的治療と呼ばれていますが、内容は微妙に異なります。

 リンパ浮腫の治療は、前回の”リンパ浮腫治療の基本”でご説明しましたような考え方です。すなわち1.用手的リンパドレナージ、2.圧迫療法(弾性スリーブ・弾性ストッキング・弾性包帯)、3.圧迫下の運動、としてまとめられ、さらに蜂窩織炎などの合併症を予防するための、4.スキンケアが、4本柱になっています。日本のリンパ浮腫治療の方向性を決める組織はリンパ浮腫研修委員会(がんのリハビリテーション研修)ですが、2010年頃、日本のリンパ浮腫治療の名前をどうしようかと相談しました。その中で、腕や脚を上げておくという基本的な項目や減量、生活上無理をしないように注意する、などの項目も入れておいた方が良いでしょう、という意考えでまとまり、その項目を加えて日本に広めることとなりました。その際、純粋な複合的理学療法とは異なるので名前をどうするか、となり、”複合的治療”となりましたが、いかんせん、これですと何の複合的治療なのかさっぱり分からないので、リンパ浮腫の”複合的治療”と言いましょう、となりました。ですが、やはり本当に良いのかな?との疑問も残り、”複合的理学療法を中心とする保存的治療”と言っても良い、いずれ見直しましょう、となりましたが、ご存じの通り、現在では保険診療でもリンパ浮腫の”複合的治療”が定着しています。

 このような少々紛らわしい経緯があったため、多くの方が複合的治療と複合的理学療法を混同して使用しておられます。したがって、医療関係者が国際学会などで発表される場合は”複合的理学療法”を使用しないと誤りとなります。(廣田彰男)

 

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