婦人科がん術後のリンパ浮腫では多くの場合片脚がむくみます。いつも書いていますが、両脚が同じにむくむ場合はリンパ浮腫ではありません。ですが、婦人科がんでは両側のリンパ節を切除しているはずなので、考えてみると不思議な事です。本当は両脚に均等にむくみが出た方が理解しやすいです。ですが、大体片方の脚で、一応左脚の方が多いとはされています。どうして片脚なのか、どうして左脚に多いのか、という議論は意外と学会でもほとんどなされたことはありません。左側に多い事に関しては、しいて言うと、解剖学的な影響から左の方が多いとは考えられます。
さらに今回のタイトルの件ですが、実は時々患者さんが、リンパ浮腫でない方の脚が以前より細くなったように感じる、前と同じならそんなに左右差を感じないのに、と仰ることがあります。ですがこれも話題になる事はありません。私はそれなりに考えを持ってはいますので、診察時にはご説明いたしますが、さすがにこの場で書くのは憚られます。そのように感じた方はその通りですので間違いではありません。
このような”片方の脚がむくむと、もう片方の脚はむくみにくい”という原則は働いていますので、万一もう片方の脚にもむくみが出てきてもそれほど悪くなることは少ないので、軽く圧迫しておけば調整できることが多いです。たとえば片脚弾性ストッキングを使用しているなら、古くなったものを使用することで間に合う事が多いです。一方で、今まで右脚だったのにかえって左脚の方が太くなってきた、のように、左右が逆転することもありえます。人間の体は不思議な事が多いです。(廣田彰男)
