糖尿病診療開始のお知らせ

浮腫

脂肪浮腫

 昨年4月に脂肪浮腫Lipedema (YouTube)について書きました。女性で、上半身は普通なのに特に腰部および脚にかけて太めであることが特徴で、いわゆる下半身肥満となります。外人の方には多い体型ですが日本人では少なくてあっても軽度です。

 むくみはその部位のリンパ管によって排出されその場から消失する、と考えられていますが、私たちの以前の研究結果(トップページ 皮下組織クリアランス)や臨床的な所見から考えてもむくみは皮下組織内を流れ落ちる要素が多いと思われます。

 全身性のむくみでは頭から足の先まで全身がむくむはずです。ですが、いかんせん人間は立って生活しますから、むくみは重力に従って下の方、足先に向かって流れ落ちます。この際、上半身のむくみは素直に皮下をたどって下方へと落ちていくと考えると、単純にむくみは下半身に溜まってしまいます。その際上半身から落ちてきたむくみは鼠径部でいったんひっかかり、それをすり抜けて脚の方へ流れ最終的に膝下や足先に溜まると考えると分かり易いと思います。そのため、全身性のむくみの方は下半身、軽く下腹部と膝下中心にむくみが見られます。

 これがむくみの水ではなくてオイル(油)だったらどうでしょうか。太っている方で全身の皮下に皮下脂肪・オイルがあると考えると、立つと水よりはゆっくり、ねっとりと下方へ落ちてきます。次いでむくみの水と同じように下腹あたりでいったん止まり、さらにそこを抜けると足先に向かって流れ落ちます。ここでむくみの水と異なる点は、オイルは下腹部などでいったん止まるとそこで固まってしまうことだろうと思います。そのため鼠径部中心、すなわちウエスト周辺で固まってしまうので、脂肪浮腫ではウエスト部分が大きくなるのではないかと、(あくまで仮設ですが)感じています。そこをやっとすり抜けた分だけが足先に向かうことになりますが、逆にウエスト付近の固まった脂肪(セルライト)は脚から心臓方向へのリンパの流れを阻害して脚のむくみが生じます。

 したがって、治療は減量して血中脂肪(いわゆるコレステロールや中性脂肪)を減らすことがまず大原則です。その上でウエスト部の固まった脂肪を少しでもほぐし、脚からのむくみの液を心臓方向に戻してあげることです。そのお手伝いとして運動療法やリンパドレナージが有効で、食事療法による減量と共に、根気よく継続する必要があります。 より効果を期待するには、弾性パンティストッキングも有効です。 

 脂肪浮腫の体型などはホルモンの影響など様々論じられていますが、確立した病因論はありません。ですが、臨床家としてむくみの全身への分布などを見ていると、このような単純な重力の影響が大きいのではないかと感じております。(横浜イングリッシュガーデン 廣田彰男)

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