糖尿病診療開始のお知らせ

リンパ浮腫

乳房切除後疼痛症候群

 乳がん手術後にリンパ浮腫で、腕や肩周辺に痛みを訴える方がいらっしゃいます。多くの方はむくんで痛い、と表現されます。腕がむくんでいて痛いので直感的にむくみが痛みの原因と思われるのかと思います。ですがリンパ浮腫では基本的に痛みはありません。しいて言うと蜂窩織炎を伴って皮膚が赤く腫れあがっている時はその程度によって少々の痛みはあることもあります。非常に敏感な方がむくみ自体で痛みを訴えられることも稀にはあります。ですが、少なくとも強い痛みを訴えることはなく、その場合は手術後の神経障害を疑います。おそらく術後の傷のひきつれが神経を巻き込んで神経自体が障害されているのかと思われます。ひきつれが原因なので、術後4~5年以上経ってから発症することも少なくありません。状況によって症状が出たり消えたりするのが特徴的です。これを乳房切除後疼痛症候群と呼ぶこともあります。

 神経自体の働きが障害されているので根本的な治療は難しいことが多く、対症的に障害されている肩周辺の血流を良くしてあげる(たとえば入浴して温めるなど)と改善傾向になることが多いようです。以前はリンパドレナージは関係ないかと思い特にお勧めしていなかったのですが、見ていますとどうも良くなる方が多いようで、リンパドレナージ施術後ほとんどの方が楽になった、とおっしゃいます。自分では確認しにくい部分ですが、肩周辺から背中にかけて硬い感じがある場合には特に有効のようです。血流と同様に循環が改善されるためかと思われます。ただし、一般的に”腕の痛みにリンパドレナージが有効”とは言いませんのでご参考まで。

 何か花が咲いていないかと無理やり散歩に行きました。烏山には寺町と言って関東大震災以後に移転してきた寺院が26も集まっている地域があります。ある寺院で花ではなくキノコを見つけました。(廣田彰男)

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