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浮腫

起立性浮腫

 むくみのもっとも基本かもしれません。みんななります。気にしない人もいれば、気にする人もいるし、程度も症状も様々なので起立性浮腫などと言う名前をつけるのもおこがましいかもしれません。起立性浮腫とは、人間は立って生活するためにどうしても脚の下の方に落ちた体液は心臓に戻りにくく、脚、特に膝下に溜まってしまったむくみです。

 心臓は動脈から全身に血液を運び、例えば脚などの組織に水分や酸素、栄養などを送り届け、その後静脈を通って心臓へ戻ります。その際、人間は通常立って生活していますから、足先から心臓方向へ血液を戻すのは大変な事です。そのため基本的にはみんな戻すことができずにむくみます。これは人間は立って生活するようになったための最大の弱点です。ほかの動物と同じように這って生活していればこんな事はなかったとも言えます。むくみにとって、この”重力”の問題は最難関で、その影響はとても大きいです。就寝時は横になって休みますから重力の問題から解き放されますので、脚に溜まっていた体液は心臓に戻る事ができて、朝にはすっきり、いわゆる、疲れが取れた状態になります。

 心臓から動脈を経て、(例えば脚の)毛細血管領域に到達した体液は、そのほとんど99%は静脈へ流れ去りますが、ほんの1%ほどが血管外に漏出し組織を潤し、その後静脈やリンパ管に入って心臓方向へ戻っていきます。静脈が素直に流れずに内圧が高くなり血管内の水分(体液)が血管外に漏れ出たものがむくみです。

 静脈血がどのような力で上の方にある心臓方向へ戻っていけるかと言うと、その大きな力はふくらはぎの筋肉の収縮です。静脈には弁がありますから、筋肉が収縮する事により静脈が刺激され、血液は上方へ押し上げられます。したがって、脚を動かさないとこのポンプ作用は働きません。そのため、長時間のディスクワークや立ち仕事などの方はむくみやすいです。特に女性はむくみやすいので、市販の着圧ストッキングを着用している方も多いです。

 弾性ストッキングを着用すると、その圧でむくみが下に落ちてこないようにできると同時に、その弾力でマッサージ効果も期待できますのでとても有用です。リンパ浮腫ではクラスⅢ(40~50mmHg)の圧を使用しますが、起立性浮腫では通常クラスⅡ(30~40mmHg)で十分です。むくんで脚がだるいなどの症状がある場合は、着用した途端に脚が軽く感じます。市販の製品は少々圧は弱いのですがそれなりの効果は期待できます。ただ、弾性が少なく比較的長めにできていて、かつ上端がすぼまっている製品では、時に上端が膝下で食い込んでしまったりしてかえって静脈の流れを止めてしまう事があるので注意が必要です。(神代植物公園 オニバス 廣田彰男)

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