左脚リンパ浮腫、下腿周径40㎝くらいの方。2週間ほど前旅行先で足首周辺に疼痛に気づく。その後発赤と腫脹あり来院。ご来院時、左踝外側の強い発赤腫脹と、下腿自体も弾性ストッキング着用できなかったためもあって周径44㎝と増大。発赤部中央に発疹2か所あり、旅行中に虫刺されでもあったかと思いましたが、その後皮膚科にて否定されました。ですが炎症として皮膚科で1週間抗生剤点滴を受け、その後再診されましたが、発赤は改善しておらず、むしろ下腿全体に及んでおり、周径もさらに47㎝まで増大しておりました。その後、患者さんが思い出した原因は、急に一生懸命始めたステッパーのようです。足首踝周辺を強く刺激して後に赤く腫れてきたようでした。
点滴で強力に治療したのになぜ改善しなかったかと言うと、おそらく、発赤患部の冷却と安静が不十分だった可能性が強いです。どうしても蜂窩織炎の治療=抗生剤と思いがちですが、リンパ浮腫の蜂窩織炎の治療の基本は患部を冷やして上げて安静をとる事です。むしろ、多くのリンパ浮腫の蜂窩織炎は冷やして上げて安静をとる事でピークは過ぎ、数日で少し改善してきます。
この、冷やして安静、と言うのは結構厳しいもので、食事の用意など一通りの日常生活をしながら時間があったら冷やして安静にする、程度では急性期は乗り切れません。文字通り、初めのうちは入院と同じように3食昼寝付きの状態で対応する必要があります。本当はその状態を1~2週間は続けて欲しいのですが、現実的には難しいので、せめて2~3日、可能なら4~5日はして欲しい、というのが本当のところです。冷却、安静ができないので抗生剤を強力に点滴(または服用)しても、安静が取れていなければ十分に効かない事が多いです。どうしても抗生剤の効果に期待してしまいます。
この方も、すでに抗生剤は強力に使用されておりますので、その後はあえて抗生剤は使用せず、ひたすら冷やして上げて寝て頂くようにし、その後改善傾向になっております。(トレニア 別名ナツスミレ 廣田彰男)
