糖尿病診療開始のお知らせ

浮腫

夜間にトイレに起きてしまう

 心不全になると就寝後にトイレに起きることが多くなります。 心臓はポンプですから、静脈から心臓に還ってくる血液を右心室へ吸い上げ、一旦肺へ送って酸素を含んだ綺麗な血液にして左心室に渡し、それを左心室はポンプの強い力で全身(腎臓も含む)に送り出します。昔の石油ポンプ(ご年配の方はお分かりと思いますが)のように、血液を吸い上げては押し出す働きをします。

 ここで心臓のポンプの力が何らかの影響で弱まると押し出す力が弱くなるのは分かり易いのですが、全身から戻ってきた血液を心臓の右心室へ吸い上げる力も弱くなります。そのため、全身の静脈に血液がうっ滞してしまいます。特に体下部に当たる脚の静脈には強く血液がうっ滞してしまいますので、結果的に脚がむくんでしまいます。これが心不全の脚のむくみです。

 では脚の静脈血(むくみ)はどのような力で心臓へ戻るかと言うと、呼吸による陰圧の力や心臓が引っ張り上げる力もありますが、もっと大きいのはふくらはぎの筋肉の動きです。すなわち、脚を動かしていると脚の静脈血は心臓方向へ押し上げられます。ところがもっと良い方法があります。それは寝る事です。寝ると別に脚の筋肉が押し上げたりしなくても、勝手に心臓方向に流れて行ってくれます。つまり、寝れば脚の静脈血、それに伴うむくみは消えてしまいます。そのおかげで朝にはむくみは消えてすっきりしています。むくみにおける静脈の影響はとても大きいので、どのような脚のむくみでも寝ればかなり改善します。

 心臓が悪いまで行かなくても少し心臓に負担がかかっている場合にも似たような状況は生まれます。たとえば歳を取ってきたり、太ったりして心臓に少々負担がかかっていたり、あまり歩かないのでふくらはぎの筋肉ポンプの力も弱まったり、と言う状況でも、病的ではなくても脚の静脈血が心臓に戻りにくい状況は生まれます。そうすると、寝る前までにうっ滞した静脈血は脚に溜まってしまうことになります。そのため心臓に血液は戻れませんので、心臓は十分な血液を全身、特に腎臓に送れませんので尿は出ない事になります。

  その状態で寝ると水が流れるように一気に状静脈血は心臓に戻ってきますので、心臓は急に働き始め、腎臓を含む全身に血液を送り出し尿が出始めます。これがちょうど寝てから1~2時間で起きるとトイレに起きてしまうことになります。

 したがって就寝後に排尿に起きないためには、脚にうっ滞している静脈血を、寝る前に心臓に戻してしまって尿を出してしまうと良い事になります。そのため、寝る前に脚を上げて過ごすように心がけて、寝る前に排尿してから寝ると少しは良いかもしれません。図は関係のある血液循環を図解していますが、青は静脈血、赤は動脈血を示し、右心房、左心房は省略してあります。(廣田彰男)

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