糖尿病診療開始のお知らせ

リンパ浮腫

腕の炎症の見方

 乳がん術後の左腕リンパ浮腫の患者さん。1月初診時、周径は上腕30㎝、前腕27.5㎝、手首18.5㎝、全体に発赤を認め軽度蜂窩織炎として加療開始しましたが、3月には上腕29.5㎝、前腕22㎝、手首16.5㎝ととても順調に改善しました。弾性着衣も初めはミトン付き弾性スリーブLサイズでしたが、ミトン無しMサイズとなり、初診から半年後保険の使える次回7月にはSサイズにしましょう、と話しておりました。ところが、5月にちょっと太くなって再来、どうも弾性スリーブを引っ張りすぎて上端でシワになり食い込んでいる事が原因のようでした。これは慣れてくると良くあることで、細くなったので楽に上がってくるためつい引っ張りすぎてしまいます。それを修正するようにして頂きましたが、7月はさらに悪化して、上腕29㎝、前腕25.5㎝、手首19㎝となっておりました。

 特別仕事がお忙しいとかはなく、何も原因らしいものは無いので分からなかったのですが、この間に気温が暑くなってきており(夏は蜂窩織炎が多いです)、さらに、動いた方が良いかと思って、毎日ショッピングや美術館巡りをなさったとの事で、どうもここらが原因で炎症が再燃して太くなってきたようです。そのため見た目は腕は白いのですが、蜂窩織炎が再燃して周径が増大したものと判断いたしました。

 炎症の見方ですが、例えば指で前腕内側を押してみて指を離しますと、いったん指の跡は白くなりますが、その後徐々に指の跡がくっきりと赤くなることで判断できます。左右較べてみると違いが分かるかと思います。画像は違いが分かるように調整しましたところ、結果的に大変色が悪くなって申し訳ありませんが、向かって左が指で押して離した直後で白くなっている状態、向かって右がその後しばらくして赤くなってきている状態です。

 リンパ浮腫の腕の皮膚の色は基本的に健側より白いです。そのため押しても赤くなることはありません。一方、炎症のある腕は、本当は赤いのですが、リンパ浮腫のむくみが覆っているため見た目は白く見えます。ですが、押すとむくみが押しのけられて奥の赤味が見えてきます。したがって、色が白いからと言って炎症がないとは言えません。炎症がある時は全体に軽く張ったような緊満感があることから疑います。脚についても同様で、脛の辺りなどを指で押して確認してみます。

 この方は、しばらくおとなしくして頂いて、腕を冷やし気味にして生活して頂くようにお願いいたしました。(廣田彰男)

関連記事