手を下げてると手がむくむ、と書きましたので、併せて、立っていると脚がむくむと言う事もお話しします。先ほどの記事では、手のむくみは日常生活でできるだけ手を上げておく注意が必要であることを書きました。ですが、脚はどうかと言うと当然ながら脚はどんなに注意しても上げて生活することはできません。そのため手のグローブと同様に考えると、脚では弾性ストッキング着用が必須となります。同時に手の場合は心臓よりと同じ高さか、注意して心臓より上に持って行く事が可能ですが、脚の場合は日常生活をしている場合はどんなに頑張っても心臓よりずっと下にあります。それもほぼ1mくらいは下になりますから、脚や足首あたりにはかなりの水の重さがかかってきます。一般的に足首では80㎜Hg(血圧計の圧、約120㎝水柱圧、ただしこれは身長によるので、日本人ではもっと低い値になります)の圧がかかりますので、それに負けないくらい強く圧迫しないとむくんでしまうことになります。ですがまともにこの圧をかけると、むくみだけではなく、中の血管や筋肉、神経などにも余計な圧がかかってしまって危険なため、通常は弾性ストッキングの圧は最高でクラスⅢ(40~50㎜Hg)、むくみが少なめの場合はクラスⅡ(30~40㎜Hg)を使います。日常生活で立っている場合は自宅でも外でも関係ありませんから、理論上は朝起きたとたんに弾性ストッキングを着用し、寝る寸前に脱ぐことになります。
その意味で夜は横になっているのでむくみは心臓へ戻ります。脚を少し上げればその分早く戻ります。自宅でくつろいでいる時も脚を伸ばして上げているのが良いでしょう。その際、足を高く上げすぎてお尻が落ちてしまうと脚の付け根部分にむくみが溜まることもありますので注意しましょう。
先ほど手のむくみの記事で、”むくんでいる部分のリンパ管が悪いからその部位がむくんでいるのではなく、”と書きましたが、脚でも同様で、例えば婦人科がん術後の脚のむくみではむくんでいる部分のリンパ管が悪いのではなくて、あくまで手術を受けた部位、下腹部や鼠径部のリンパ節切除部位が根本原因です。そのためにリンパの流れが滞りリンパ浮腫となります。ですが、リンパ浮腫の脚について、たとえばRIリンパ管造影やリンパ管エコー、ICG検査などすると、むくんでいる部分のリンパ管の異常所見を指摘されたりします。これらはあくまでむくみに伴う二次的な所見です。根本は手術され切除されたリンパ節部分ですので、検査所見で一喜一憂しないようにしましょう。
さきほどは白梅を掲載しましたので、ちょっと寂しい感じですが、今度は紅梅をお出しします。(廣田彰男)
