糖尿病診療開始のお知らせ

リンパ浮腫

リンパドレナージ

 例えば子宮がん術後の脚のリンパ浮腫を考えた場合、リンパドレナージでは鼠経リンパ節は使えないから鼠経方向へ流さずに、脇を通って腋窩リンパ節へ流す、と考えます。リンパ節は切除されてますから何となく理に適っているように思われますが本当にそうでしょうか。仰向けに寝た状態でドレナージする時は何となくそれで納得しますが、日常生活で立っている時に、むくみの液は鼠径リンパ節に入れないから、脇を通って腋窩の方に上行していくでしょうか。むくみは水ですから下から上へ、しかも脇を通って流れて行くことはどう考えても大変難しいと思われます。

 リンパ節を切除するとまったく流れないのでしたら、術後全員が脚がパンパンに腫れてくるはずですがそうではなく、約1/4の方に発症します。程度も全員がパンパンでなく、軽い方もいらっしゃいますから、リンパ節を切除しても脚から体の方へ流れてはいます。これは、切除したリンパ節周辺のリンパ管がバイパスとして働き、多くの方ではそれで間に合ってしまうためむくみは発症しないためです。また、ついむくみの液はその場のリンパ管に取り込まれてその場から排除される、と考えますが、リンパ管には入らずに皮下組織内を移動する要素も大きいと思われます。

 そのように考えると、リンパドレナージは必ずしも脚から脇を通って腋窩に持って行くのではなく、脚からつけ根を経て体幹方向へ持って行っても良い部分があるかと思われます。そんな事をするとリンパドレナージの指導者からは間違いです、と注意されるかもしれませんが、リンパドレナージは腋窩へ流す、と紋切り型に考えず柔軟に対応してよいように思います。(参照:リンパ浮腫のむくみの水は何処を流れるのか(2025.8.10分))

 ずっと以前の話ですが、乳がん術後の腕のリンパ浮腫の方で、あるお知り合いのお寺のご年配のご住職様がおられました。当時はまだリンパドレナージも一般的ではなく、私は外来診察の中でドレナージの方法をお見せしたりしておりました。それが大変気持ちが良いらしく、ある日夜に苦しくて眠れないから来て欲しい、と依頼を受けた事があります。たまたまお近くでしたので伺ったのですが、多くのお弟子さんが見守る中、腕を触れていますと静かにお休みになられて、それを見届けてそーっとその場を後にいたしました。昔々のお話です。

 平林寺、初めて行きましたが敷地も広く大変見ごたえがありました。(廣田彰男)

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