糖尿病診療開始のお知らせ

リンパ浮腫

弾性スリーブとグローブの重なり

 脚のむくみでは弾性ストッキングで脚の先端まで覆って圧を加えます。しかし、腕の場合は手の先まで覆ってしまうと手を使うことができないので、手首までで止めてしまいます。これが弾性スリーブです。その弱点を補うため弾性グローブを加えます。

 リンパ浮腫圧迫の基本は平編み、との基本があるため、初期軽度の腕のリンパ浮腫でもよく平編み弾性スリーブとグローブの組み合わせを処方されることがあるようです。方法としては完璧のように思ってしまいますが、実際にはこれは多くの場合失敗します。その理由は、骨が見えるような状態の腕に硬くて厚い平編みの弾性スリーブを着用すると、むくみではなく骨にあたってしまうため、痛い上にそこで圧迫が止まってしまうためスリーブが肌に密着せず、肝心のむくみは圧迫できないためです。むくみがたくさんあれば理屈通り有効です。さらに弾性グローブを加えると手首で二重になって締めてしまい手の甲がむくんできます。おまけにグローブはとても価格が高く、弾性スリーブと加えるとかなりの額になります。これを洗い替えで2組勧められると下手すると5~6万円ほどになってしまいます。写真は、手首で二重になり、腕自体は細いので上腕はフィットせずシワになっており、外すと手の甲が腫れているために来院された方です。

 そのため私は初期軽度のむくみには多くのケースで丸編みの弾性スリーブを使います。手の甲にむくみがなければ弱圧弾性スリーブを使用しますが、手の甲にむくみがある場合は下端が指の付け根までくるミトン付き弾性スリーブを使用します。こうすると手首で締めないので手の甲はむくみませんし、価格も弾性スリーブにプラスアルファくらいで済みます。むくみが結構多い場合は、短期間、薄い粘着性弾性包帯1本をミトン付き弾性スリーブのように巻いて使用し、その後弾性スリーブに移行するとさらに有効でしかも安く済んでしまいます。ちなみに手の甲のむくみが強い場合は初めは弾性スリーブは使用せずに手首の広い弾性グローブのみを使用した方が早期の効果を期待できます。下手に弾性スリーブも使用すると手の甲のむくみは取れにくいことが多いです。

 人間の性で、何となく高い方が最高の医療という錯覚に囚われますが、理屈を考えるとよりシンプルな方が理に適っていてかつ安価に済んでしまうように思われます。

 

関連記事